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思わず顔を赤くした私を見て、幸希さんは満足そうに続ける。
「いい返事を気長に待ってるよ」
「うう、何だか見透かされてるみたいで悔しいな」
「当たり前だろ。どれだけ付き合ってると思ってるんだ?」
幸希さんは微笑んで手を上げる。
「じゃあな、玲歌。気を付けて帰れよ」
「うん。返事は明日するね」
「ああ、待ってる」
手を振って別れ、信号が青になった横断歩道を渡り出す。
この道路を渡れば私の住むアパートに着く。
胸の中は光が灯ったように暖かくて。
早く明日になってあの人に会いたいと思った。
不意に響く急ブレーキとタイヤの音。
視界に飛び込んで来る車。
眩しい程のライトの光に飲み込まれそうになる。
「……っ」
思いに描くのは、ただ一人の姿。
返事をしたかった。
ただ一言。
「こう、き……」
幸希、貴方に会いたい……!
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Reservoir Amulet