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「どうした、固まって。まさか具合でも悪いのか?」

「きっと疲れているんですよ。あれだけ集中して弾いていれば。幸希さんだってライブの後は、いつもごろごろしてるじゃないですか」

「それは違うぞ。俺はライブの後以外でも、時間があればいつだってごろごろしてるからな」

「……胸を張って言う事ですか?それって」

仲が良い二人の会話を聞いて、僕はようやく思考力を取り戻した。

ステージの上では凄く輝いて大きく見えたけれど、こうしているととても身近に感じられる。

「貴方にも、何か伝えたい事があるんですね」

不意に羽衣に話し掛けられてはっとした。

思わず見詰めた瞳は優しくて。

同時に痛みを知る光もあった。

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