gamestart.11


「そんなもの、ある訳無いだろ。俺は気ままに楽しく生きているんだからな」

「でも、本当はいつも悲しい事を考えてるよね」

華憐は澄んだ瞳で静かに言った。

「蒼はね、悲しくても寂しくてもそれを表に出そうとしない人だよ。そういう時こそ、無理にでも笑うの」

その声は、水の流れのように心の深くまで届いて揺らす。

「でも、分かるよ。泣きたい時に笑っていても。笑っていても、何処か悲しいから」

華憐は立ち止まると、同じように足を止めた蒼の頬に触れた。

「だから、私は願うの。寂しい時に温もりを分け合える誰かと、いつか出会えるように。そうしてその悲しみが歓びに変わって行くように」

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