solitaryfight.14


『分かるよ。泣きたい時に笑っていても』

ふと以前の華憐の言葉を思い出し、蒼ははっとした。

『笑っていても、何処か悲しいから』

まだ子供なのだから、自分の事だけ考えていてもいいのに。

それなのに、いつも他人の事ばかり願って心配する彼女だから。

もしも知ってしまったらどうするだろう。

自分がどうしても口に出来ない事を。

(……何を考えてるんだ、俺は)

蒼はすぐにその考えを打ち消したが、それでも一瞬胸に浮かんだ思いはいつまでも奇妙な感情の揺れとなって残った。

華憐なら、受け止めてくれるのではないかと。

同情でも慈悲でもなく、ただ最後まで共にいてくれるのではないかと。

あの何処までも澄んだ、真っ直ぐな瞳を持つ少女なら。





- 122 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet