solitaryfight.15


静寂が、逆に耳に痛くて。

月夜に沈む城には、もう静けさしか無い。

ほんの少し前まで大切な家族や、他にも沢山の人の気配で満ちていたのに。

今此処にあるのは、死滅と静寂の闇だけ。

今まで自分を取り巻いていた全てが、一瞬の内に壊れてしまった。

確かなものなんて何も無いのだと、身に沁みて分かった。

自分の命でさえも。

此処で出来る事なんて、選べる道なんてもう一つしか残されていない。

毒をグラスに注いで、そっと息をつく。

この毒の存在は、幼い頃から知っていた。

王家に生まれた者として、自らが死ぬのが国の為に最善と思える場合に飲むようにと教えられていたから。

不思議と恐怖は無い。

自分の犠牲で国が救われるのなら、何度だって命を捧げよう。

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