solitaryfight.28


蒼はそれには答えなかったが、皆がキッチンに行って一人になると、そっと呟いた。

「……そうかもな」

たまには良いかもしれない、こんな休日も。

『少しずつ何かが変わって行けば、未来だって変わるんだよ』

この世界にあるのが、優しいものばかりじゃないと知っているのに。

一度全てを失い、その命すら捧げようとして。

辛さも悲しみも身に沁みて知っているのに。

『辛い未来も悲しい未来も、蒼なら変えて行けるよ』

今だって、折れてしまいそうな程不安と戦っているのに。

確かなものなんて、何もありはしないのに。

『きっとこれから見付けて行くんだよ』

それでもまだ、何処までも澄んだ瞳で人の未来まで信じるから。

幸せになってほしい、どうしても。

自分の代わりに。





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Reservoir Amulet