lovelabyrinth.06


三人は顔を見合わせたが、やがて信武が口を開いた。

「駄目じゃないけど、此処から本部まで何日か掛かるし、もし大変だったら無理しなくていいんだよ。阿紋や僕は、別に絶対行かなきゃいけない訳じゃないから、此処に残ったって問題無いし」

「蒼と華憐が遭遇した男達も騎士団の方で捕まえたが、残党がいないとも限らないから危険だ」

「ううん、二人も帰った方が良いと思う。皆、久し振りにご家族やお友達と会えるんだから。そういう機会は大切にしないと」

華憐は暖かな瞳で続ける。

「それにね、私も騎士団長殿にお会いしたいの」

「じいさんに?何か用でもあるのか?」

「そうじゃないけど。この前とてもお世話になったし、厳しくて暖かくてまるで本当の……」

そこでふっと言葉を切った華憐を見詰めて、蒼が言った。

「じゃあ決まりだな。一緒に行くぞ」

「……うん!有り難う」

いつも何でも無いように笑うけれど、華憐はもう家族には会えない。

もう二度と、何を引き換えにしようとも。

それでも涙に別れを告げて、些細な事で嬉しそうに微笑むから。

歓ぶのなら、どんな事でもしてやりたくなる。

その幸せの為なら、どんな事でも。

もう、あまり時間は無いかもしれないけれど。





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