11
(どうしてなの?どうしてこんな事を許すの、紫陽……!)
傷付いた仲間を見詰め、華憐は血が滲む程強く唇を噛み締める。
今戦いを止めれば、それは敗北を意味する。
それでもこれ以上、自分のせいで誰かが傷付くのは。
「諦めるなよ、華憐」
不意に声を掛けられて、はっと視線を落とす。
蒼が血を流しながら、両手の剣を握って体を起こす。
「まだ勝負は着いてないだろ。あんたは心配せずに、俺を信じろ」
「蒼……」
全ての不安を払うような力強い声と、優しい背中。
華憐はしばらく躊躇った後、頷いて言った。
「うん、蒼を信じる」
「よし。素直な良い子だ」
いつもの調子に、更に心配は薄れて行く。
- 195 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet