21


「あいつ……。何でそんな大事な事を黙ってたんだ。これじゃ何の為に側にいるのか分からない」

辛い時に支えになるのが仲間なのに。

こんなに近くにいるのに。

何も出来なかった自分の無力さに腹が立つ。

「言えなかったんだろう。隠している訳ではなく、上手く言葉に出来なかったのかもしれない」

沈んだ口調で阿紋が言い、信武も頷いた。

「もし世話係の紫陽と主催者の紫陽が同一人物なら、華憐は幼馴染の手によって国も親族も全て奪い取られてしまったんだよね。それってきっと僕達じゃ想像出来ない程、辛い事だったんじゃないかな」

「冗談じゃないぜ」

蒼は自分の額に手を添えて続ける。

「それじゃ、幼馴染と戦おうとしていたのか。そんな事を一人で背負おうとしているのか」

- 205 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet