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「やっぱり間違い無いんだな?」

しばらく黙ってから、華憐は小さく頷いた。

「うん。私が小さな頃からずっと一緒にいて、私の面倒を見てくれた人」

「そうか」

蒼が短く相づちを打ち、それから優しく言った。

「良かったら聞かせてくれないか。華憐の大切な人なんだろ」

「……うん。紫陽はね、私より十歳年上なんだけど、忙しい両親の代わりにいつも私の世話をしてくれたの」

自分でも驚く程、自然に言葉が溢れ出た。

「紫陽は身よりが無くて城の庭師に育てられたの。私と歳の近い子が他にいなかったから、いつも一緒に遊んだ」

華憐は話しながら、ただ静かに側で聞いてくれる存在がいる事が、どれだけ慰めになるかを改めて感じた。

「城の中を探検したり、庭に秘密基地を作ったり……。子供の遊びにも、あの人は楽しそうに付き合ってくれた」

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