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蒼はじっと耳を傾けながら口を開いた。

「優しい人、だったんだな」

「そう、とても優しかった。私は昔から人に涙を見られたくなくて、どうしても泣きたくなったら誰もいない場所を探すようにしていたの。でも、何処に隠れても紫陽はいつも捜しに来てくれて……。親に内緒で育てていた鳥の雛が死んでしまった時も、私を見付けてくれた」

懐かしい思い出が甦り、胸に迫る。

全てがつい昨日の事のようで、けれどその全てが今はもう無い。

城の庭に咲き誇る色とりどりの花や沢山の木々の名前を教えてくれる、手を繋いで歩いた人。

王女として生まれた自分に大切な事を教えてくれた紫陽。

「巣から落ちて怪我をした雛を、二人で育てていたの。でも生きられなくてある日死んでしまって、私は悲しくて悲しくて一人で森の中に入って……」

王家の者が人前で泣くのは許されない。

周りの人々が動揺しない為にも、心の動きはどんな時でも隠して。

一人、誰にも見られない場所へ。

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Reservoir Amulet