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それなのに、何故だろう。
その記憶が今の自分を作っているのだと分かる。
優しく暖かく愛しい、そして悲しい想い出。
思い出したいのに、思い出さなければいけないのに、まだ遠い。
「蒼?……蒼!」
信武に呼ばれて、はっと我に返る。
「あ、ああ。悪い」
「どうしたんだよ、ぼーっとして」
「目を開けたまま眠っていたようだったぞ」
蒼はぼんやりした頭のまま、軽く息を吐いた。
「……そうかもな。少し、夢を見てた」
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Reservoir Amulet