18
手が届きそうで届かない。
彼女によく似た儚い夢。
もしくは、それ自身か。
このまま霧の向こうへと手を伸ばし続けたなら、いつか見えるだろうか。
届かなくても、見詰める事位は許されるだろうか。
まだ遠く霞む淡い夢。
どんなに胸が痛もうと、思い出さなければならない。
それが今の自分の始まりならば。
閉ざされた扉の向こうへ、この手を伸ばして。
暖かくて悲しい想い出から目を逸らさずに。
常に前を見据える彼女の強さが、過去の絆から来るならば。
その強さを、自分にも。
全てを受け止めて、彼女の側に在る為に。
もう時間は、あまり残っていないだろうけれど。
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Reservoir Amulet