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尋ねる間も無く、体が世界を渡り始めたのが分かる。

もう迷っている場合ではない。

約束は、果たさなくては。

初めて会った筈の貴方が、何故こうまでして助けてくれるのか分からないけれど。

あの日涙を見せずに泣いていた貴方は、その輝く瞳でもっと広い世界を見るべき人だから。

これまで自分の知らない所でも、誰かを傷付けながら犠牲にしながら生きて来た。

だからいつかこの身で、それを贖う時が来るのだろう。

でも、だからこそ、貴方には生きていてほしい。

その為に、自分に出来るあらゆる事を。

確かなものなど何も無い。

全てが一瞬にして壊れてしまう事もあるから。

もう繰り返したくはない。

壊させはしない、貴方だけは。





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Reservoir Amulet