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『……俺は王家の事なんてよく知らないけどさ、泣きたい時に泣けないなんて王女様も大変だな』
ふと見せてくれた笑顔が、嬉しくて。
『泣かないのも強さかもしれないが、泣きたい時に泣くのも強さだと思うぞ』
優しく頭を撫でてくれる手が温かくて。
『あんたまだ子供なんだし、たまには誰かに甘えたり縋ったっていいんだよ』
明るい色の瞳が、眩しくて。
『……本当にそうだよな。こんな筈じゃなかったんだが。あんたがこんなガキだと知ってたら、そもそも殺そうなんて思わなかったよ』
それでも何処か諦めているような口調が、悲しい。
この人は受け入れてしまったのだろうか、その未来を。
自分と出会う事で、抗うのを止めてしまったのだろうか。
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Reservoir Amulet