05


華憐は頷いてから目を伏せる。

「貴方はいつもそうして私の為に力を貸してくれる。私はそれに甘えてしまうばかりで……」

「何言っているんだ?そんなの当然だろ。あんたは女なんだから、気にせず頼ってれば良いんだよ」

いつもの調子で言うと、華憐は一瞬驚いた顔をした後、ふっと湧き出るように笑顔を見せた。

「蒼、私と出会ってくれて有り難う」

「……っ」

思わず目を奪われた蒼を見詰め、華憐は繰り返す。

「私と出会って、側にいてくれて本当に有り難う。貴方がいなければ、今私は此処にはいない。私は今頃生きていなかった。沢山、迷惑を掛けてしまってばかりだったけど」

蒼は息をついて目を逸らし、努めて軽く返した。

「別れの挨拶みたいな事言うなよ。まだこれからも迷惑なら幾らでも掛けられてやるからさ」

冗談めかした口調、明るい色の瞳はその心を悟らせない。

それでも、ずっと側にいた華憐には分かった。

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