05
華憐は頷いてから目を伏せる。
「貴方はいつもそうして私の為に力を貸してくれる。私はそれに甘えてしまうばかりで……」
「何言っているんだ?そんなの当然だろ。あんたは女なんだから、気にせず頼ってれば良いんだよ」
いつもの調子で言うと、華憐は一瞬驚いた顔をした後、ふっと湧き出るように笑顔を見せた。
「蒼、私と出会ってくれて有り難う」
「……っ」
思わず目を奪われた蒼を見詰め、華憐は繰り返す。
「私と出会って、側にいてくれて本当に有り難う。貴方がいなければ、今私は此処にはいない。私は今頃生きていなかった。沢山、迷惑を掛けてしまってばかりだったけど」
蒼は息をついて目を逸らし、努めて軽く返した。
「別れの挨拶みたいな事言うなよ。まだこれからも迷惑なら幾らでも掛けられてやるからさ」
冗談めかした口調、明るい色の瞳はその心を悟らせない。
それでも、ずっと側にいた華憐には分かった。
- 245 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet