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王家が崩壊しようとしていると、あの頃から決まっていたというのか。

蒼と出会わなければ、何も知らないままだっただろう。

そして自分の知らない所で、自分の為に失われて行く命。

今までも、これからも生きている限り同じ事が繰り返されるのか。

そんな犠牲の上に生きて行かなければならないのか。

あの明るい瞳も、深い響きを持つ声も、触れた体の温もりも。

全てが無くなり、消えてしまう。

そんな事は、納得出来ない。

仕方無い、なんて諦められない。

『騎士団長殿』

自分でも驚く程、低い声が出た。

『あの人を、死なせはしません』

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