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「蒼、有り難う」

素早く駆け寄った華憐は、蒼の血だらけの体を支えて泣きそうな顔で繰り返す。

「本当に、有り難う」

蒼は手に付いた血を服で拭い、そっと華憐の頬に触れる。

「そんな顔するなよ。俺は勝つって言っただろう。あんた、笑ってた方が可愛いぜ」

「……うん」

微笑んだ華憐は、小さく頷いてから俯いた。

「あとね、私……」

言い掛けた華憐を遮るように、紫陽が口を開いた。

「では約束を果たしましょう、華憐」

「……何を」

蒼が言い終わる前に、華憐は体を離して紫陽に向き直る。

同時に紫陽が構えた銃から弾が撃たれた。

華憐に向かって何発も、腕に足に胸に撃ち込まれる。

長い髪と鮮血が、夢のように風に舞い踊る。

時間が、止まったかのようだった。

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