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「か……華憐!」
我に返った蒼が叫んで、華憐を後ろから抱き締める。
しかし、華憐の体から温もりがどんどん消えて行くのが分かる。
羽のように撒き散らされた血が、顔や服に振り掛かる。
一瞬一瞬が悪夢のように長い。
『私の事を、覚えていますか?』
寂しさを隠した微笑みで尋ねた少女との再会。
『戦いにだって出るよ。それが国の為ならば、この身と引き換えにしても』
強く揺るがない瞳。
『うわあ、綺麗!綺麗だね!』
素直であどけない無邪気な表情。
『私も貴方に何かをしてあげたい』
いつも他人の事にばかり一生懸命で、本当に愚かで。
『貴方の願いを一緒に願うと言っているの』
愛しくて、恋しくて。
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Reservoir Amulet