19


我を忘れて力を放っていた蒼は、ふと自分の中に全てを鎮めるような静かな力が入って来るのを感じた。

それは大地に流れる水のように満ちて広がり、優しく包んで行く。

(……華憐?)

その力に華憐を感じた時、柔らかな声が耳に触れた。

「蒼、私はまだ此処にいるよ」

心配そうな光をたたえる淡い色の大きな瞳と目が合う。

傷付いたその体は、少しずつ空気に溶け込むように薄くなって行く。

「泣かないで。私はもう、貴方の側にいられないけど」

消えそうな指先が、そっと頬に触れる。

「でも、貴方は生きて行ける。縛る全てから……解放される」

華憐の微笑みが、悲しく切なく胸を締め付ける。

- 259 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet