27
『蒼、さん……?』
驚いたように目を見張る華憐の頭を、手を伸ばして撫でる。
さらさらとした髪の感触が、手に心地良い。
今まで纏っていた自分の魔力などよりも、ずっと。
『あんたみたいなガキが、そんな簡単に死んで良いなんて言うなよ。勿体無いぞ』
長い漆黒の髪を指でなぞりながら続ける。
『俺は王家の事なんてよく知らないけどさ、泣きたい時に泣けないなんて王女様も大変だな』
華憐はまだ瞳を大きくしたままこちらを見詰めている。
先程まであんなに大人びていたのに、こうしていると本当にただの子供だ。
『泣かないのも強さかもしれないが、泣きたい時に泣くのも強さだと思うぞ。あんたまだ子供なんだし、たまには誰かに甘えたり縋ったっていいんだよ』
『どうして私にそんな事を言うんですか?』
- 267 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet