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「俺みたいに王家を憎んでたって訳じゃないんだろ?それなのに……」

「いいえ。僕は憎んでいましたよ。国も王家も……」

微笑みを崩さずに、紫陽は続ける。

「僕は華憐を愛しています。だから何をしても手に入れたかった」

「な……」

信じられない内容に、何も考えられなくなる。

けれど紫陽の瞳を見れば、嘘は言っていないと分かる。

分かってしまう。

想いが向く相手が同じだから。

だから、だからこそ。

「それがあるから、華憐は僕を見てはくれない。ならば全て奪えば僕の方を振り向いてくれるかと」

「何を言ってる!」

蒼は思わず立ち上がり、紫陽の服の首元を掴む。

「華憐はあんたを、大切な人だと言ってたんだぞ!だから何があっても最後まで信じると決めていた。優しいあんたに、戻ってほしいと……!」

どうしようもない熱い感情が溢れそうになる。

それは想い出の中の華憐があどけなく微笑むから。

戦いの時に見せた毅然とした瞳が胸に迫るからだった。

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