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「なのに、何であんたがあいつを傷付けるんだ!本当に好きなら、愛してるなら守ろうとするだろう!あいつを、悲しませるな!」

それは紫陽に向けた言葉なのか、自分自身に向けられた言葉なのか。

無力な自分は、ただ憧れるだけで。

奪う事も出来ないまま、いつも彼女に救われる。

間違っているとは思うけれど、或いはこの紫陽の方が想いは強いのだろうか。

華憐への想い故に、人生まで捨てたようなものなのだから。

「……ちっ!」

舌打ちと共に、紫陽の服を掴んでいた手を振り解く。

紫陽は服の乱れを直そうともせずに、何処か寂しげに微笑んだ。

「それが、貴方の愛し方ですか。華憐が貴方と一緒にいた理由が、少し分かった気がします」

「どういう意味だよ」

「言葉通りですよ」

そう言ってから調子を変えて尋ねる。

「それで、どうしますか?今この中で彼女を追えるのは貴方しかいませんが」

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