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静寂の夜が、此処にいない存在を大きくするから。

阿紋は暗い自室で、彼女と初めて会った時の事を思い出していた。

王女に会うというのでかなり緊張していたのに、そんなものは全て飛び越えて現れて。

同じ目線で真っ直ぐに見詰めて来て。

見ている方が暖かくなるような笑顔で言った。

『有り難う。私はまだ知らない事ばかりで迷惑を掛けてしまうかもしれないけど、自分に出来る事は精一杯やるから、こちらこそどうぞ宜しく』

そして自分を王女として扱う必要は無いと、真剣な眼差しで続けた。

『私はもう、出来る限り誰も犠牲にしたくないの』

優し過ぎる少女には、辛い事があまりにも多くあったのだろう。

それでもいつも影を落とさず、戦いに疲れている時でも初めて会ったままの笑顔で。

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