desolatecity.08


至極当然のように蒼は続ける。

「多くの民をたぶらかすなんて、絶世の美女に決まってるからな。まあ実際はガキだったから俺の苦労は無駄になった訳だが」

「何考えてるの、全く」

呆れたように華憐が言う。

「こっちは真剣だったっていうのに、貴方はそんな事を考えていたの?感謝して損したよ。よくそれで王家直属の騎士団の、団長の跡取りなんて務まってたね」

「あれ、気付いてたのか。俺の事」

蒼は面白そうに笑って華憐を見た。

「それはそうだよ。不良だって有名だったもの。両親には、危ないから近付くなって言われてたし」

「賢明な助言だな。俺に惚れない女はいないし、大事な王女様が騎士に惚れたら大変だからな」

「そんな事にはならないから安心して。誰かを選ぶなんて私には出来ないんだから。いつかは結婚するだろうけど、それは私が好きになった人とじゃない」

悟りきった口調は、全く年齢に相応しくない。

常に国の事だけを考えて、その為に生きて。

そこに個人の感情など入り込む余地は無い。

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