desolatecity.09


蒼は少し考えてから口を開いた。

「じゃあ、まさか初恋もまだなのか?16にもなって」

「……うん。そういうのはよく分からない」

「それで、いつかどっかの偉い貴族とかと結婚するのか?好きでもないのに」

「大丈夫だよ。その時が来たらちゃんとその人を好きになるよ。その前に、国を何とかしないといけないけど」

そう言った華憐の湿った髪に、蒼は手を伸ばして触れた。

華憐が大きな瞳で見上げて尋ねる。

「どうしたの?」

「俺はあんたの生き方に口を出す権利なんて無いけどな。一つ言わせてもらえば、恋ってのは理屈でどうこう出来るものじゃない。自分じゃ止めたくても止められなくて辛くて切なくて、でも甘くて愛しいものなんだ」

それから肩をすくめて付け加える。

「ま、俺もまだそんな恋は知らないけどな」

- 30 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet