07


「それは……」

小さな声で華憐は答えた。

不意に、今にも泣き出しそうな顔になる。

「そうしないと、他にどうしようも無かったの。だからもう一緒にはいられないって思って……」

顔を上げ、責めるような調子で続ける。

「何故捜しに来たの。私の事なんか忘れて、自由になってほしかったのに……」

しばらく黙って俯く少女を見詰めてから、蒼が口を開く。

「とにかく話を聞かせてもらうぞ。こんな事になった理由位は聞いても良いだろう?」

そろそろ周囲からの視線も気になり出した為、返事も待たずに再び華憐の腕を掴んで歩き出す。

まだ怪我が残る姿が痛々しくて、歩みは自然とゆっくりになる。

何だか無性に腹立たしくて、小さく舌打ちをする。

やがて人通りも途絶えた頃、小さな公園を見付けて中に入った。

申し訳程度に遊具とベンチが置いてある公園には、誰もいなかった。

木の下にあるベンチに並んで腰を下ろしてから尋ねる。

「何であんな事をしたんだ。あれはあんたが望んだ事と聞いたが」

「……ごめんなさい。私が全部決めたの。怒られても仕方の無い事をしたと思うよ。特に蒼には言い訳なんて出来ない。でも以前の私は闇雲に、ただ前に進んでいた の。自分の事さえ分からない子供だったのに」

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