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しばらくして唇が離れると、華憐は我に返ったように言った。

「蒼……どうして?」

「どうしてって、だから言っただろう。好きだからだよ」

「だっていつも散々、私を子供だガキだって言ってたのに」

「……まあ、それはそうだけどな。華憐も悪いんだぜ?気付いたらいつの間にか、すっかり大人の女になってるんだから」

蒼は長い髪に触れながら呟く。

「まだまだ、子供だと思ってたのにな。まさか俺も華憐に本気になるとは思わなかった。忘れていた想い出があっても、俺はどうしても放ってはおけない程惹かれていたんだ」

「蒼……」

「だからどうしても会いたかった。俺には華憐しかいないから。自分に想う権利なんて無いと分かっていても、心が華憐を呼んでいたんだ」

華憐が不意に額を蒼の肩に付けた。

心地良い重みが、胸を静かに満たして行く。

「どうしてそんな事を言うの?」

蒼にもたれたまま華憐は続ける。

「それは私の方なのに。貴方を守る力も無いし、もう王女でもないの。私は貴方を好きな、ただの無力な娘なんだよ」

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