04
騎士団本部の門の前には、よく知る人物が二人立っていた。
華憐が足を止めて蒼を見上げる。
「あれ?あそこにいるのって……」
「ったく、暇なんだな」
呆れたように言いながらも、蒼の口調は嬉しそうだった。
「信武さん、阿紋さーん!」
「だから走るなって」
華憐の声に気付いた二人はこちらを見て手を上げる。
「お帰りー、華憐」
「待っていたぞ」
「……うん!有り難う」
阿紋が優しい瞳で華憐を見詰めて微笑む。
「礼を言われる事ではない。大切な仲間を待つのは当然の事だ」
「そうそう。二人仲良く戻って来てくれて本当に良かった」
信武は蒼に目を向けて続ける。
「蒼もお帰り。思ったより遅かったね」
「こっちも色々あったんだよ。そっちの方は何か変わった事は無かったか?」
訊かれた信武と阿紋は顔を見合わせた。
「そうだね、悪い事は無かったよ」
「ああ。とにかく中へ行こう。華憐、貴女に会ってほしい人がいる」
「私に?」
目を見張った華憐を蒼が促す。
「行こうぜ。疲れてるだろ?休んだ方がいい」
導かれるままに本部の中へと足を踏み入れながら、華憐はそっと目を細めた。
まだ数える程しか来た事は無いけれど、此処の雰囲気は本当に優しくて。
まるで、本当の。
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