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夜も更け他の皆が寝静まった頃、堪え切れない笑いが信武を襲っていた。

阿紋でさえ、横を向いて笑みを隠している。

「ま、まさか僕達が蒼から恋の相談をされる日が来るなんて、思いもしなかったよね」

「今まで不真面目だった分、本気の恋には弱いのだな」

「意外と純情で照れ屋さんだったんだね、蒼。知らなかったよ」

蒼は少し黙り込んでから反論した。

「別に、華憐に触れられなくなったのは後ろめたいからとかじゃないぞ」

「本当かい?前まで散々子供だって言ってたけど、好きになった途端に大人の女性だって意識するようになったんじゃない?」

「つまり、事あるごとにやましい想像をしている訳か。……騎士としてあるまじき思考だな」

嘆かわしげに溜息をつかれ、蒼が怒鳴る。

「そんな訳あるか!お前ら、面白がるな!」

「まあまあ、ほら飲みなよ」

信武が注いだ酒に口を付けながら、怒ったように言う。

「やっぱり、話すんじゃなかったぜ」

「飲む元気があるなら大丈夫だな」

阿紋は微笑んで続ける。

「お前は昔から、何も考えていないようで本当は誰よりも深く物事を考える奴だったな」

「そうだね。だから他人の気持ちばかり考えて、自分の事は後回しなんだね」

「……何だよ、急に」

思わず見返した二人の瞳は真剣だった。

「そういうところ、お前と華憐は何処か似ているな」

「蒼、求めるなら手を伸ばしなよ。華憐はちゃんと答えてくれる娘だろ?」

「…………」

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