05
「今聞いた場所へ行ってみようよ」
「そう言うと思ったけどな」
息をついた蒼は、念を押すように続ける。
「相手がどんな奴かはまだ分からない。危険なんだぞ」
「だから行くんだよ。これ以上国を乱して人々を苦しめるなんて事を放ってはおけないから」
「……全く、勇ましい王女様だな」
苦笑した蒼に向かって華憐が微笑む。
「それを言うなら蒼だって、騎士なのに大した悪役ぶりだったけど?」
「何だよ、それこそ今更だろう?」
「それもそうだね」
話しながら歩き出した二人を見送って、街の人々が顔を見合わせる。
「……王女と、騎士と言っていたな」
「そんな筈無いだろう。王家はとうに滅んだんだ」
「でも、あの方が王女なら良いと思わない?」
華憐に手当てを受けた女性が、二人の去った方向を見詰めて口を開いた。
「あの方が国を治めて下さるなら、きっととても暖かな国になる」
人の痛みが分かるのは、自分自身も痛みを知っているから。
それなのに穏やかに笑う彼女なら。
きっと暖かく穏やかな国を築いてくれる。
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Reservoir Amulet