desolatecity.12


「……うん」

華憐は素直に頷いてベッドに潜り込む。

「お休みなさい、蒼」

「ああ、お休み」

灯りを消してから蒼もベッドに入ったが、やはり目は冴えていた。

静まり返った部屋の中にカーテン越しに月の光が射し込んでいる。

それは向こうの世界の月光と変わらない。

けれどほんの少しの間に、何と状況が変わった事だろう。

まだあどけないのに、妙に大人びた所を見せる王女様と行動を共にするなんて。

自分でも分からないのに。

『駄目だ、飲むな!それを飲んだら、全てが……』

どうしてあの時、あんなにも華憐の死を止めたいと思ったのか。

その場面が焼き付いて離れない程に。

天井を見詰めたまま横になっていると、隣のベッドの方から微かに音がした。

もう眠ったと思っていた華憐が静かに起き上がり、ベッドから降りた。

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