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「……そう、かな」
「ああ。俺は華憐のその優しさに何度も救われてる。優しいから、今もそうして自分の立場に責任を感じて悩むんだろう。優しさは弱さじゃない、尊いものだ。だから華憐はそのままでいいんだよ。悩んで、迷って、それで見えて来る事もある。それに、これから先何があっても華憐は一人じゃない」
絶対に、一人にはしない。
「だから、どうしようもなくなる前に誰かに相談しろ。例えば俺に。誓うよ、忠誠を」
「うん……」
「誓うよ、俺はずっと華憐が好きだ」
体に回された力強い腕が温かくて、華憐は微笑んで頷いた。
「うん、有り難う」
そのままでいいと認めてくれる存在で、自分は前へ行ける。
だからこのまま、抱き締めていてほしい。
大好きな人がいてくれれば、強がりの笑顔は本物になる。
生きてほしいと願い続けた貴方の温もりが、強がりに慣れた心を溶かしてくれるから。
貴方を好きでいられる事が、ただ嬉しい。
誰かを好きになるのは時に痛くて切ないけれど、幸せがそれより大きいから。
微笑んだら、笑い返してくれる。
瞳を見交わして、そっと触れてくれる。
それだけで、胸が満たされて。
立ち上がって、前へ進む為の力をくれる。
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Reservoir Amulet