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「ああ、そうだな」

蒼は頷くと、華憐に手を差し出した。

「早く掴まれ。一応橋は架かってるが、今にも崩れそうだからな」

「あ、有り難う」

手を重ねて川に架かった橋を渡りながら、華憐が蒼を見上げる。

「何だか、久し振りだね」

「ん?」

「こうして手を繋いで歩くの、最近無かったから」

「何だ、もしかして寂しかったのか?」

冗談めかして尋ねると、華憐は拗ねたような顔を見せた。

「……別に、そんなのじゃないよ。蒼が側にいてくれるなら、それだけで。手を繋いでほしいとか抱き締めてほしいとか、考えた事も無いんだから」

(……か、可愛い過ぎる!)

蒼は思わず目を逸らし、それから気を取り直して咳を払う。

「とにかく、今はそんな事を言ってる場合じゃない」

橋を渡り終え、目の前の城を見上げて続ける。

「教えてやれ、女王降臨を」

「……うん」

華憐の纏う雰囲気が、がらりと変わった。

身に付けていた鎖を手に持ち、強い声で宣言する。

「始めるよ」

今此処に、叶うなら最後の戦いを。





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