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「ほら、俺が手を出すまでも無く片付いたじゃないか」

「……まあ、結局は私がやるべき戦いなんだから文句は言わないけどね」

自分を納得させるように言った華憐に向かって蒼が微笑む。

「昔の俺なら、華憐が止めたって全員半殺しにしてたぜ」

「え?」

「だが今の俺は、華憐の魔力を貰って変わったんだ。魔力と同時に優しさとか穏やかさも流れ込んで来たような気がする。前よりもずっと、暖かな気持ちだよ」

あの自分自身を飲み込む冷たい力とは違う。

自分の中に満ちている、何処までも静かな力。

乾いた大地を優しく慈しんで優しく流れる水のような力が、荒んだ心を包んで溶かして行く。

「優しさは、弱さじゃない。こんな感覚も悪くない。今なら華憐の瞳に映る未来を、俺も描いて行ける気がするよ」

じっと蒼を見詰めていた華憐が、小さく首を振る。

「違うよ、初めて会った時から貴方は優しかった。もし私が何か出来るとしたら、それは小さな切っ掛けを作る事だけ。だから一緒にいて何かが変わったのなら、それは蒼が選んで来た事なんだよ。それは私も同じ。蒼と出会って共に在る事で、何かが変わって来た。その結果、悪くないと言えるなら、それは自分に誇れる事だと思う。……貴方は?」

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