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「……お前が、王女か」
静かな質問に、華憐は強い瞳で応じた。
「はい。私はこの国の第一王女、都築華憐です」
「王家は滅んだのではなかったのか。国が滅んでから現れるとは随分遅いご登場だな」
笑みを含んでの言葉に、華憐が動じる事無く答える。
「その通りです。犯してしまった過ちは、もうやり直す事は出来ません。だから言い訳はしません。しかし、もしも今からでも再び国を建て直せるなら同じ過ちを繰り返さないように最善を尽くす覚悟はあります」
「覚悟、か。その為ならどんな犠牲も厭わないという覚悟か」
「……やはり、そうですか。貴方は」
華憐が確かめるように言い、男は無表情のまま頷く。
「そうだ。私はかつて王家の臣下として仕えた、この城の主の息子だ。そして私自身も、臣下として働いた」
蒼は、はっとして華憐の横顔を見た。
それではこの男も紫陽と同じように、王家に仕える身でありながら反逆者となったのか。
「父も母も、王家に忠誠を誓っていた。だが権力を持ち、この城の周辺の住民からも慕われた故に危険分子と見なされ殺された。母も、まだ幼かった弟や妹も同様にだ。ただ私だけがどうにか逃げ延び、名前や身分を全て隠して今まで生きて来た」
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