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「そして、王家に復讐を誓ったのですね」

華憐は静かにそう言うと、深く頭を下げた。

「辛い思いをさせて……申し訳ありません」

「何?」

「けれど貴方の選択は、本当に貴方自身を幸福にしましたか?それで貴方は満たされましたか?」

「知ったような事を言うな!」

叫び声と共に、熱風が吹き荒れた。

「華憐!」

蒼は慌てて華憐を引き寄せて庇う。

「あいつも魔力を使うのか。しかし、気に入らないな。まるで鏡を見ているみたいだ」

「そうだね。まるで、いつかの誰かさんみたい」

蒼が作った魔力の盾越しに荒れ狂う風の源を見詰めて、華憐は微笑む。

「だから、力になりたいの」

「華憐、駄目だ。今出て行ったら……!」

蒼の制止を振り切り、熱風の中へと出て行く。

自分の中に僅かに残っている魔力で、風を鎮め始める。

「王家も国も私自身も、何もかも滅んでしまえばいい!」

風の向こうから聞こえて来る悲痛な叫びを、胸に刻んで。

「華憐、それ以上やったら死ぬぞ!」

腕を掴んだ蒼に、吹き荒れる風の音にも負けない声で言う。

「私がやらなきゃならない事なの!だって民が、国は滅びろと言ってるんだよ!私が全てを賭けて守り慈しむべき民がそう願うなら、此処にいる意味なんて無いから!」

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