05
その視線を受けて、華憐は紫陽と紅零の瞳を真っ直ぐに見詰めて言った。
「二人は一度手に入れた国を私に返してくれた。力があるのに私に託してくれた。だから私は必ず幸せな国を二人に、皆に返すよ」
「……華憐の旅は、無駄ではなかったようですね」
しばらくして、紫陽が口を開いた。
「うん、そうだね。大切な事を沢山学んだから」
「お前なら私も信じられる」
「有り難う」
紅零に微笑を返し、華憐はテーブルについた。
「じゃあお茶にしようよ、冷めちゃうから」
「ええ、そうですね」
三人でテーブルを囲んで紅茶に口をつける。
「これは美味しいな。少し変わった味だが」
「そうでしょ?この淹れ方、蒼に教わったの。蒼ってふざけてるみたいだけど、実は色々な事を知ってるし器用なんだよ」
華憐が得意そうに言った途端、和やかだった室内の空気が凍り付いた。
「……あ、あれ?二人共、どうかしたの」
「華憐、君が僕達にそれを言うとは」
「面白い、覚悟は出来ているだろうな」
「え、ええっ!?覚悟って何の?」
出会って一緒にいて、教えてもらった事学んだ事が幾つもあるから。
胸を暖かくする経験が、確かにあるから。
強くなれる、今ならもっと。
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Reservoir Amulet