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「んんっ、げほげほ、ごほん!」

不意に不自然な咳が聞こえて、見詰め合う二人は我に返った。

「……何だ?信武」

「ごめんごめん。何か雰囲気に耐え切れなくなってさ」

「邪魔をするようで申し訳無いが、早く奥へ行った方が良いと思うぞ」

促されて歩き出した二人の後に続きながら、大碓が口を開く。

「どうにもきついな、あの雰囲気」

「何故お前が赤くなる」

「初めて華憐ちゃんを見た時はまだ子供で、何だか余裕が無さそうに思ったもんだ。それが今じゃああして好きな奴と一緒で、幸せそうに笑ってて良かったよな」

その言葉を聞いて、響は改めて蒼と華憐の後ろ姿を見た。

『だから、ゲームに出ているんです。あの人の魔力が、極限まで解放されるように』

『本当に好きなら、愛してるなら守ろうとするだろう!あいつを、悲しませるな!』

お互いにお互いの事ばかり案じているのに、幸せになれるまでの道程は決して短いものではなかったから。

響は微笑んで、静かに言った。

「……そうだな」

祈らずにはいられない。

どうか、この先も幸せが長く続くように。

沢山の幸いがあるように。





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