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蒼は痛い位に突き刺さって来る視線に、何度目かの溜息をついた。
正面には表情だけはにこやかな紫陽が座っている。
「全く、女王を攫うなんて事と次第によっては首を切られますよ。後で戻ればいいってもんじゃないんですからね」
「だから、悪かったって言ってるだろ」
「反省すればいいと思ってるんですか。騎士団長ともあろう者が人攫いなど、後世まで語り継がれますよ」
蒼はうんざりと息を吐いて、余計な口出しはせずに思い思いに茶を啜っている皆を見回した。
「……お前ら、自分は関係無いって顔してるなよ」
「お前は以前に比べて幾らかましになったとはいえ、まだまだ不真面目過ぎる。華憐の為にも正されるべきだ」
「そうそう。家庭を持ったら今までみたいに好き勝手やってる訳にはいかないんだから」
「人事だと思って楽しんでるだろう!薄情な奴らだな!」
怒鳴った時、部屋のドアが開いて美野里が顔を覗かせた。
「準備が整いました。宜しいですか?」
「おっ、華憐ちゃんのお出ましだな!」
「いよいよか」
美野里は大碓と響の言葉を聞いて、廊下の方を向いて声を掛けた。
「さっ、華憐様。皆様お待ちかねですよ」
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Reservoir Amulet