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手を引かれて、少し照れたように微笑みながら華憐が部屋に入って来る。

身に纏う白いドレスとヴェールが、ふわりと揺れる。

「……っ」

蒼は目を奪われたまま息を飲んだ。

幻で描いていた通りの、天使のような姿。

何処の世界を捜しても、他にはいない。

誰より美しい、自分の何より大切な。

「……ど、どうかな?」

何も言わない皆に、不安そうに華憐が尋ねる。

「似合ってないかな?」

「そんな事は無いぞ。とても綺麗だ」

我に返った紅零がそう言って、興味深そうに部屋の中の皆の顔を見回す。

「皆、お前に見とれているらしい。そのせいで気の利いた言葉の一つも言えないのだろう」

「……普段無口なくせに偉そうだな、あんた」

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