desolatecity.19


「華憐ならそう言うと思ったよ。だから、これ」

立ち止まって、街の広場に立てられた立て札を叩く。

「読んでみろよ」

蒼の背と同じ位の高さに掲げられた文章に、華憐は言われた通りに目を走らせた。

「…………」

その大きな瞳に怒りが宿るのを、蒼が見逃す事は無かった。

どんな服を着ていても、王家の者の持つ雰囲気は消えはしない。

怒りの炎を灯した瞳をすると、つい先程までのあどけなさは無くなってしまう。

「これは何なの?これが、今の国の現状なの?ひどい、ひどいよ」

華憐はしばらくしてから震える声で言った。

「どうしてこんな事をするの。あんなに人々が傷付いているのに、それを何とも思わないなんて国を治める者として間違っている。そう諫める人はいないの?なら止めなきゃ駄目だよ。今すぐに……」

まだ言い終わらない内に歩き出した華憐の腕を、慌てて蒼が掴む。

「待て、何処へ行くんだ」

「ゲームとやらが行われる街だよ。主催者に会うの」

「馬鹿を言うなよ。何の策も無いのに、会ってどうするつもりだ」

「だってこんな事を、黙って見過ごすなんて出来ない」

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