fictionstory.17
「華憐、街まで引き返すぞ!振り向かずに走るんだ。分かったな」
その声に押されて、華憐は来た道を駆け出した。
蒼も途中まで横を走っていたが、少ししてから短く言った。
「じゃあ、また後でな」
驚いた華憐が見る中で、蒼は服をなびかせて戻って行く。
華憐を逃がす為に、足止めをするつもりなのだろう。
そう考えた時、華憐の足は勝手に止まっていた。
彼の言う事を聞くべきだと分かってはいたが、どうしても先へは進めなかった。
蒼を置いて一人で逃げるなんて出来ない。
してはならない。
唇を噛む華憐の記憶には、今も鮮明に刻まれている。
自分を庇い死んで行った、城にいた忠実な人々や両親の姿が。
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Reservoir Amulet