fictionstory.20


「全く、うちの王女様は勇敢だな。俺の側を離れたくないって気持ちは分からないでもないが」

責めるではなく、ただ優しい声に安堵した華憐は思わず涙ぐみそうになった。

「少しでも力になれたらと思ったんだけど、蒼には必要無かったね」

「……怖いと思ったか?まあ、あんまり女の子に見せるもんじゃないだろうが」

華憐は蒼を見上げて尋ねた。

「蒼の、魔力なの?今の……」

「ああ、まあな。何処まで回復したか試すつもりだったんだが」

溜息をつきながら、髪をかき上げて続ける。

「華憐を怖がらせたくなかったんだ。だから一人で戻らせようとしたんだが、間違いだったな。余計心細くさせたみたいだ。悪かったな」

「え?」

「あんたの気持ちを考えれば、あそこで別れたりはしなかった。辛い事を思い出したんだろう。走って来た時、泣きそうな顔をしてたぞ」

- 64 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet