fictionstory.21


そこまで見抜かれていたとは思わず、華憐は急いで口を開いた。

「そんな事無いよ。私の方こそ、言う事を聞かなくてごめんなさい」

頭を下げてから、争いの跡が残る辺りを見回す。

「それにしても、蒼は本当に騎士団長の跡取りなんだね。私、つい忘れそうになっていたけど」

「そうだ。俺の力はあんた程強くはないが、弱くもないからな。それに元々王家を守る為に振るわれる力だ。華憐といれば俺の力は強くなる。完全に回復すれば、尚更な」

そう語る蒼の明るい色の瞳には、まだ危険な火花が残っているような気がする。

けれど、それ以上に。

華憐は俯いて小さく呟いた。

「……ごめんなさい」

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Reservoir Amulet