fictionstory.22


「ん?どうした」

聞き取れずに尋ねた蒼に首を振る。

「ううん、何でもないの」

「そうか?ならいいけどな」

座り込んだままだった華憐に手を差し出しながら、蒼が意地の悪そうな笑みで言う。

「怖くなっただろう。止めるか、ゲームに出るのは。あんたも多少は腕が立つようだが、きっとこいつらなんかよりもっと強い奴等が出て来るぜ」

「冗談じゃないよ。これ位で諦めるなんて」

蒼の手を取って立ち上がった華憐は、自分自身に言い聞かせるように決意を込めて口にした。

「私は絶対にこの国を取り戻す。例え何があっても、諦めたりはしない。その為に」

深く息をついて少しの間躊躇った後、蒼を真っ直ぐに見つめて言う。

「貴方に側にいてほしいの。蒼が側にいてくれたら私は頑張れる。最後まで私に力を貸してほしいの」

その言葉に蒼は何も言わず、ただ満足そうに唇の端を上げた。





- 66 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet