fictionstory.23


気を失って倒れている男達を放っておいて、二人は先を急ぐ事にした。

「全く、騎士団本部の側で堂々と現れやがって。後で人を寄越して捕まえさせるか」

珍しく騎士団長の跡取りらしい事を呟きながら、蒼が不意に華憐の顔を覗き込む。

「おまけに王女様の顔に傷まで付けやがって。痛むか?」

「大丈夫。元はと言えば私が勝手に戻って来たのがいけなかったんだし」

「馬鹿。あんたは仮にも女だろ。顔は大事にしろよ」

蒼はハンカチで切れた唇の血を丁寧に拭い、別のハンカチを水で湿らせて華憐に渡した。

「ほら、これでしばらく冷やしてろ。少しすれば腫れも引くだろう」

「あ、うん。有り難う」

「これに懲りたら少しは王女様らしく大人しくしてるんだな。本部に着けば分かると思うが、あんたを守りたい奴は沢山いるんだから」

「……うん」

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