dreamland.07


(この娘は、まさか……)

何か知っているのだろうか。

偶然ではないのだろうか。

そう思った時、蒼は思わず少女の細い腕を掴んでいた。

「待って下さい。君は、何を知っているんですか?」

驚いたように振り向いた少女の表情を、何故か知っているような気がした。

「前に会った事があるんですか?君は、一体……」

「私は華憐【かれん】。都築【つづき】華憐といいます」

微笑んで名乗った少女の名を、その響きを確かめるように繰り返す。

「華憐……」

一瞬華憐が目を見張り、蒼は慌てて言った。

「あ、すみません。いきなり呼び捨てにしてしまって」

「いいえ」

華憐は小さく首を振って目を伏せた。

「私の大切な人も、そう呼んでくれていたのを思い出しただけです」

「え?」

聞き返したが、華憐はそれには応じずに再び顔を上げる。

「どうしても知りたいですか?後悔しませんか」

「教えてくれるんですか?」

「はい。貴方がそれを望むなら。本当は知らずに今のままの方がいいのかもしれませんが」

そんな事は許されない。

自分を見据える印象的な瞳から目を離せずに、蒼はそう思った。

もう戻る事なんて出来ない。





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