nostalgiamind.11


「しかし華憐………」

反論しようとした阿紋より先に華憐は続ける。

「私はもう、出来る限り誰も犠牲にしたくないの。誰かを犠牲にして生きるよりは死んだ方がいい。けれど、やらなければならない事があるから私は死なない。まだ死ねないの、意地でも。だから私は大丈夫。いざという時には自分を守ると、約束して」

その強い口調には、悲しい重みがあった。

それが伝わって来たから、誰ももう反論しようとはしなかった。

決して消えない光を宿す瞳の前に、幾ら言葉を重ねてもその意志を動かす事は出来ないと分かったからだった。

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