nostalgiamind.12


華憐が自分の部屋へと戻って行くと、信武は深く息を吐いた。

「さっき蒼が言ってた事の意味が何となく分かったよ。お前があの娘と一緒にいる理由」

「ああ。さっきも言った通り、あいつはガキなんだよ。だから自分が無理している事も気付かないまま他人の幸せの為に頑張り続けて……少し間違えたら壊れてしまう。そうならないように、誰かが側にいて守ってやらないとな」

「しかし、それだけか?」

それまで黙っていた阿紋が不意に口を開く。

「お前が華憐と共にいる理由は」

「ん?ああ……」

蒼はしばらくしてから真面目な声で言った。

「幸せになってほしいと思ったんだよ、あいつには。さっきも聞いただろう。あいつは自分の事より他人の事ばかりを願うんだ。だからこそ、幸せになる資格がある筈だ。王女としてではなく、華憐自身の幸せを側で願ってやる奴が必要なんだよ」

「じゃあ、蒼はずっと側にいてあげるつもりなのかい?」

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